透明性の本質を追求する。コーヒークエストコロンビアの取り組み

リージョナルロットからインフューズドコーヒーまで、幅広い品質でロースターを魅了するコーヒークエストコロンビア(以下、CQC)。彼らは独自の生産者ネットワークを築き、ウイラ県とアンティオキア県に3つのバイイングステーション(買取所)を運営しています。
今回は、そのコミュニティの生産者が生み出すコーヒーの価値を、透明性を保ちながらカップまで届けるCQCの取り組みについて、深掘りしてお伝えします。
CQCでは、小規模生産者にまつわる膨大な情報を、すべて自社開発のシステムで一元管理しています。その徹底した管理は、生産者との最初の出会いから始まります。
初めて取引を行う生産者がバイイングステーションにパーチメントを持ち込んだ際、生産地に常駐するローカルメンバーが直接対話を行い、生産者名、農園名、所在地、面積、標高、認証といった詳細な農園情報を丁寧に取得・登録します。
購入が決まると固有の「ロット番号」が発行され、生産者IDと紐づけられます。さらにバイイングステーションでは、重量計測や品種・精製方法の確認に加え、フィジカル、センサリーの両面で品質評価を実施。これらの評価結果もすべてリアルタイムでシステムに登録されます。
品質評価の結果から見えるのは、単なる数値だけではありません。そこには、生産改善につながる重要な情報が含まれています。
評価は常に生産者へ共有され、次の収穫に向けた改善のために活用されます。例えば、ブロッカ(コーヒーベリーボーラー)による虫食い被害が多い場合、常駐するローカルメンバーが生産者とともに対策を検討します。さらに、センサリー評価の結果も同様にフィードバックされ、発酵や乾燥といったポストハーベスト工程の改善に役立てられます。
CQCは品質評価を通じて買い取りを意思決定するだけでなく、生産者とともに成長するサイクルを循環させているのです。

一次評価はバイイングステーションで行われますが、それと同時にサンプルの半量は、品質管理の拠点でもあるアンティオキア県リオネグロのドライミルへ送られ、最終的な品質判断となる二次評価が行われます。バイイングステーションで一時保管されているコーヒーは、QCの承認を受けると、まとまったタイミングですべてドライミルへ輸送されます。
生産者からの購入価格は、ローカル価格をベースにしながら、品質評価や品種に応じたプレミアムを加算して決定されます。さらに、ドライミル輸送後の再確認において、バイイングステーションでの評価を上回る品質だと判明した場合には、追加プレミアムが後日生産者へ支払われる仕組みです。
実際に現地で話を聞いた生産者からは、「コーヒーは売った時点で終わりだと思っていたが、後から品質が再評価され、追加プレミアムが支払われたことに驚いた。その透明性の高さが、CQCを選ぶ理由の一つ」という声も上がっており、この仕組みが深い信頼に繋がっています。

リオネグロのドライミルに到着した後も、同じロット番号ですべての情報が一元管理されます。各ロットがドライミルのどこに保管されているのかを正確に追跡し、ブレンドロットを構築する際には、QCチームが各ロットの品質情報をもとに最適な組み合わせを決定してドライミルへ指示を出します。ここでようやく、最終的な販売ロットに、それを構成するすべての農園・品質情報が完全に紐づくことになります。

生産者が持ち込むパーチメントから、ロースターの皆さんが受け取る袋まで。その間に存在する膨大な情報が、決して途切れることなく繋がっているのです。
CQCのトレーサビリティシステムは、単にコーヒーを「追跡する」ためだけのものではありません。品質改善のための情報を生産者へ還元すること。適切な品質評価を価格(プレミアム)へ正しく反映すること。そして、そのコーヒーを生産者のナラティブとともに、ロースターの皆さんへ届けること。そのすべてが、この仕組みによって実現されています。
一気通貫で記録された確かな情報がシステムを通じて管理されているからこそ、CQCは透明性の高いコーヒーをカップまで届けることができるのです。