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India

流通実績1カ国・28ロースター
価格帯(FOB/kg)6.50 - 9.00 USD
生産者数2 プロデューサー
コーヒーの種類15 ロット
スコア83.0 - 86.0
12月
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
収穫・精製
予約受付
輸送
入庫
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インドという国

一国で、ロシアを除くヨーロッパ全土に匹敵するほどの広さを誇るインド。人口は20年前の約1.3倍となる14億人を超える規模にまで膨れ上がり、2023年には中国を抜いて世界最大の人口大国になった。そのうち農村部で暮らす人口は約9億人(2020年)。減少傾向にあるとはいえ、農業に従事する就業人口の割合は約半数を占めており、インドの発展には欠かせない重要な産業となっている。 近年の目覚ましいインドの発展を裏付けるターニングポイントが、1991年に打ち出された経済自由化政策だ。価格統制を敷くなど、社会主義型計画経済の色合いが濃かった市場に競争原理を持ち込んだことで、積極的に外資が導入されるようになった。以後、30年間でGDPは約10倍に伸びており、当時、先端的な高等教育が導入されたことが、インドを「IT大国」に押し上げた要因のひとつである。国内の貧困問題は深刻で、都市部居住者のうち49%(2020年)がスラムで暮らしている。 一方で、急速な経済発展の代償として深刻な交通渋滞と環境汚染が起きている。特にデリーやムンバイなどの大都市では、交通渋滞による経済損失や、大気汚染、騒音等の公害による健康被害が重大な問題となっているため、政府はさまざまな対策を講じている。 国民の約8割、10億人を超える人々がヒンドゥー教を信仰している。個人に選択の余地はなく、資質や能力にかかわらず、生まれながらに職業が決まっているカースト制度による差別は、1950年に憲法で禁止されたが、仕組みや文化は今なお人々の暮らしの中に息づいている。

about
インドのコーヒー生産

インドのコーヒー生産には長い歴史がある。コーヒーの起源を紐解くと、その冒頭にインドの聖人ババ・ブーダンが登場する。彼はメッカ巡礼の際に訪れたイエメンのモカ港からインドまでコーヒーを持ち帰り、栽培を始めた。その後、コーヒーはインドネシアやオランダに渡り、世界中に伝播したという伝説がある。 1800年代からはじまったイギリス統治時代からヨーロッパへのコーヒーの輸出が強化されたため、コーヒー生産は繁栄した。1940年代、第二次世界大戦の影響によってコーヒー産業が壊滅的な状態になったことを受け、インドにコーヒー委員会(Coffee Board of India)が設立された。そこでは研究開発や技術支援が行われ、コーヒー産業の基盤が固められた。 さらに、1996年に国の規制が緩和され、生産者が自由にコーヒーを輸出できるようになり、コーヒーの流通は活性化した。さらに、インド国内の経済発展によって国内消費量が伸び、国産のコーヒーに対するニーズも高まっている。 インドのコーヒーは、これまで主にヨーロッパのマーケットでエスプレッソ用として流通していた。「モンスーンマラバール」と呼ばれるインド特有の精製方法は、生豆を港の倉庫で貿易風に晒して数ヶ月かけて乾燥させることによってボディを増し、酸味を弱くすることによって、エスプレッソに適したコーヒーに変化させるというものである。 近年はコーヒー本来のフルーティーな風味を楽しむスペシャルティコーヒーの生産が積極的に行われており、エステイト(自社農園)や自国のコーヒーを焙煎するロースターも増えている。 インドでは、S795やSelection 9などインドのコーヒー研究所で開発されたハイブリッド品種、そしてティピカやケントも多く栽培されている。特にS795はさび病に耐性があるアラビカ種として有名で、インドネシアでもよく見られる。全体的な印象として、ブラウンシュガー、アップル、マンゴーなどラウンドな味わいを感じるが、これからより多様なコーヒーが生産されることが期待されている。