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Seoul Homeでオープニングイベントを開催しました
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4月27〜30日の4日間、韓国拠点であるSeoul Homeで初のオープニングイベント(招待制)を開催し、82ロースターが参加しました。参加者はダイレクトトレードされたニュークロップのカッピングや、TYPICA Labで生産地を訪ねたロースターによるトークセッションを通して、グローバルなコミュニティとしてのTYPICAを体感しました。
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TYPICAは2021年に韓国でサービスをローンチ。国内各地でのカッピング会の他、世界最大級のコーヒーイベント「Cafe Show Seoul」への出展などで、生産者の物語りや個性豊かなコーヒーを届けてきました。一方でコロナ禍の影響で対面活動が思うようにできず、当初は「TYPICAは本当に韓国にあるの?」と尋ねられたことも。それでも少しずつ共感が広がり、このたびSeoul Homeにみなさまをお迎えすることができました。チームスタッフは1人から4人となりました。
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TYPICA Labで学びと思索を深めたロースターが体験を語る「Global Lab Talk」では9ロースターが発表しました。LAVATREEのチョ・テヒョンさんは3月に開催したグアテマラ・エルサルバドル編に参加。生産地を自分の目で見ることが、カフェでアルバイトをしていた時からの夢だったそうです。
チョさんは「コーヒーを愛する仲間たちと、コーヒーのことだけを話せる環境はかけがえのないものでした。何をしたかを伝えるよりも、僕がドキドキ、ワクワクした気持ちを他のロースターに届けたいという気持ちで臨みました。一枚一枚スライドを見せながら話しているうちに、生産地で体験した記憶や感覚が鮮明になってきました。それを100%届けられたかは分からないけど、カッピングの場で他のロースターから『素晴らしかった』と声をかけてもらって嬉しかったです」と喜んでいました。
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「The Journey of TYPICA」のセッションでは、オランダのオリジンチームのアーネストが登場。アフリカの生産地事情に精通するアーネストは、気概に満ちたアフリカの生産者とのエピソードを語りました。
その一つは、コミュニティの人材育成や女性生産者の活躍を大切にするウガンダのMountain Harvestです。2022年は品質が基準に届かなかったのですが、アーネストはその間も現地を訪ね、創業者のケネスやウォッシングステーションのマネージャー・イブラヒムと品質向上に向けて課題を共有し話し合いを重ねてきました。そして1年後の2023年、品質が上がり初のオファーが実現しました。アーネストは彼らと友人のような信頼関係を築き、年中コミュニケーションをとっています。
アーネストは「よりサステナブルな未来のビジョンを共有し、コーヒーを愛するすべての人々のコミュニティを築くことを目指したい」と話した上で、参加したロースターに「あなたにとってサステナビリティとは何ですか?」と問いかけました。
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カッピングセッションでは、オファー中のニュークロップを中心としたコーヒーが並びました。参加者は感覚を研ぎ澄ませ、生産者の努力と想いが詰まったコーヒーを一つ一つ確かめていました。
FLIP Coffee Roastersのノ・ジョンモクさんは「特にグアテマラのPrimaveraの品質が素晴らしかった。小規模なロースターが世界中の生豆に出会うのは難しかったが、TYPICAを通じて可能になったのは大きい。TYPICAがコーヒー業界を変えたいという本気さが伝わりました」と振り返りました。
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Recovery Coffee Barのヨ・サンウォンさんは「生産地で何が起こっているのかを聞いた後、カッピングをして、また生産地を感じる。この一連の体験によって、TYPICAの特長であるダイレクトトレードに親近感を覚えました。これまではお客さまのことだけを考え、希少な品種や高品質のコーヒーを見つけることにフォーカスして取引先を選んでいましたが、生産者のことを『伝える』というロースターの役割を考えるきっかけとなりました」と語りました。
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今回のイベントでは事前に参加者にカードキーを配布し、それぞれドアを解錠して中へ入っていただきました。不思議な方法だと思われたかもしれません。カードキーの個別配布には「イベントが終わってからもずっとSeoul Homeをわが家のように活用してもらいたい」との想いを込めました。普段はスタッフが使っていますが、コーヒーを飲みながらアイデアをシェアしたり交流したりするカフェとして利用できます。いつでも気軽にお立ち寄りください。
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Deep Blue Lakeのイ・チョルウォンさんは「TYPICAにはこれまで特別な印象を持っていなかったが、Seoul Homeという拠点があることで確かな存在になりました。高い専門性と生産地との強い繋がりを持った会社です。イベントで紹介された多様なコンテンツを通して『どんなロースターでも生産地に行ける』という気持ちになれたことは大きい」と話していました。
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Equaltableのキム・イテさんは「イベントで時間を共にした他のロースターのことを知りたいという気持ちにもなりました。彼らの店を自分で訪ねたり、TYPICAの今後のカッピングやイベントで一緒になったりする中で、これから特別な関係性が生まれそうな予感がしています」と期待を寄せました。
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Seoul Home代表 シン・ソイのコメント
最終日の夜を終えた帰り道、「イベントは本当に終わってしまったのか?」「明日もまたみなさんに出会えるのではないか?」と、どこか信じられないような気持ちが続いていました。いつの日か、Seoul Homeでみなさまとお会いしたいと思っていたことが現実となったからです。
Seoul Homeがこれから、ロースターのみなさんやTYPICAを応援して下さっているすべてのみなさんが集う空間に発展していくことに、私自身もまだ不思議な感覚があります。
とはいえ、これは私たち韓国チームの第一歩にすぎません。より解像度を高め、みなさんと一緒に、コーヒーを愛するすべての人によって育まれるコミュニティづくりを実現していきたいと思います。
これからもよろしくお願いいたします!
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