
Kenya Harvest Update 2024/25

ケニアのコーヒー収穫の最新状況
私たちはコーヒーの収穫や品質、物流の状況を確認するために、ケニアのパートナーのもとを訪れました。幸運だったのは、中央部のキリニャガ周辺から西部のケリチョ周辺への旅を通して、両地域の顕著なコントラストを目の当たりにしたことです。
ケニアの中央部と西部の違い
今年は天候に恵まれたおかげで、中央ケニアでは収穫が早まりました。4月の長雨と6月の少雨が予定通りに訪れたことで、量、質ともに素晴らしい結果が得られました。
9月と10月は雨の降る時期が例年より遅く、水分をいかに保持するかが課題となりましたが、全体的にはよい状況です。なかでも精製の出来は目を見張るもので、パーチメントの75〜80%がAA、ABグレードと、過去数年と比べても品質が向上しています。このことだけでも、今年の収穫への期待が高まります。

一方で西ケニアは、気候変動の影響により困難に直面しました。訪問時には収穫が終盤に差し掛かっていました。例年は11月〜クリスマス、そして4月〜6月の2度の雨季のはざまに乾季があります。しかし近年は天候が読めなくなり、乾季が長引いたり、降雨が散発的になっています。
2023年末のエルニーニョによる豪雨に次いで、2024年初頭は長い乾季が続いたことは、西部でのコーヒーの収穫、生産に大きく響いています。特にSL28品種では、生育期間中に落葉が発生したことでチェリーの成熟が遅れ、全体的な収量が減少しています。
中央ケニアでは収穫の見通しが明るい一方、西ケニアでは苦戦しており、異なる戦略やイノベーションが必要であることが浮き彫りになりました。
ケニアでのイノベーション
現地でワクワクしたことのひとつは、複数の生産者が伝統とは異なる方法でイノベーションを進めていたことです。アナエロビックやコファーメンテーションなどの実験的なプロセスや希少品種の栽培、栽培から精製まで一貫して管理する体制が構築されているところも見られました。今年はそういった革新的なロットをオファーできるでしょう。今後のさらなる発展にもご期待ください。

精製の最新情報
昨年、ケニアでは精製において大きな変化がありました。多くの民間業者のライセンスが取り消され、郡にある公営の精製所に移管されたのです。当初は物流面で課題や遅延が発生したものの、規制に適応していくにつれ、生産性は改善されていきました。
協同組合や精製所はうまく今の役割に適応し、高品質のコーヒーを安定して供給し続けています。
ナイロビからキスムへのフライトと、何時間にも及ぶ移動を経て、今年の収穫に関する明確な結論を得ました。素晴らしいコーヒーを生産するために必要とされる膨大な労働、そして多くの生産者にとって唯一の生活の糧であるコーヒーが、天候などの外部要因に依存していることです。
決して目新しい情報ではありませんが、ケニアのコーヒー業界は気候変動や規制への適応といった課題に直面しながらも、適応力や強さ、創造性の片鱗を見せています。
業界がこれらの変化をくぐり抜けていく中で、いかにケニアの高品質なコーヒー生産の評判を維持し、進化させていくかが引き続き焦点となっています。