Journal

地球ぐるっとコーヒー風土記

~自由と人権をもたらすスペシャルティコーヒーの時代~

第9回

先住民の自立の手段として~誇り高きボリビア

TYPICAが2022年10月に東京で行った初の年次総会に、海外から最も多く参加したのはボリビアでした。コーヒーの世界、それも高い精度を求められるスペシャルティコーヒーでは、ほとん...

第8回

太陽の汗、月の涙~ペルーコーヒーの魅力は民の力

ペルーを漢字で書くと「秘露」…。秘境を連想します。自然条件はまさにそう。国の中央を標高6000m級のアンデス山脈が縦断し、切り立った峰の東側はアマゾンにつながるジャングル、西側の太...

第7回

暴力がはびこる国のマイルドなコーヒー~コロンビアの憂鬱

南米大陸の入口に当たる国コロンビアは、名高いコーヒー以外にも魅力的な特産に事欠きません。黄金、エメラルド、麻薬、蘭の花…。共通しているのは、人間の心を異常なまでにときめかせ、人生を...

第6回

運河が引き寄せたコーヒー~ゲイシャを舞台に押し上げたパナマ

見渡す限り360度が海。大海原を航行する客船のデッキから見る風景は壮観です。まして早朝、水平線上に昇る朝日を眺めるのは格別。熱帯のカリブ海では太陽がひときわ力強く、上昇しながら熱線...

第5回

自立した農民が生産~メキシコ・コーヒーは革命の味

赤道をまたぐコーヒーベルトの北限に位置するメキシコ。コーヒーが栽培されるのは南部に限られます。とりわけ最南部のチアパス州は生産の40%を占める一大コーヒー産地です。ここは隣国グアテ...

第4回

恐怖の内戦から模範的な和平へ~勤勉な国民エルサルバドル

同じ中米のコスタリカの半分もない国土に、コスタリカの人口を上回る650万人もの国民が住むエルサルバドル。中米地域では人口密度がひときわ高い国です。狭い地に人がひしめいて切磋琢磨され...

第3回

激動の政治に翻弄されて~逆境にめげないニカラグア

コーヒー生産地のほとんどが経済的には貧困地帯です。その多くが民主主義とは無縁で独裁政権が生まれやすく、政治は不安定です。ニカラグアはまさにその見本のよう。右翼独裁、革命、内戦からよ...

第2回

誇り高き生命力〜抑圧された先住民の国グアテマラ

グアテマラは火山と密林の国です。標高4000メートルを越す中米一の高山もあります。密林の中にはかつて栄えたマヤ文明のピラミッドが林立し、高度な暦や絵文字を刻んだ遺跡が潜みます。偉大...

第1回

純粋な人生~マイルドな国コスタリカ

コスタリカの国名はスペイン語で「豊かな海岸」の意味です。とはいえ石油などの資源はありません。豊かなのは人間性です。首都サンホセの空港に着くと、壁に「幸せな国にようこそ」と書いたポス...

前文

地球ぐるっとコーヒー風土記〜自由と人権をもたらすスペシャルティコーヒーの時代

コーヒーについて、さまざまな情報が氾濫しています。豆の種類、淹れ方、生産国や歴史上のエピソードまで。でも、グアテマラやコロンビアなど産地の名を聞いても、どんな土地柄なのかピンと来な...

国際ジャーナリスト

伊藤千尋

国際ジャーナリスト。1949年、山口県生まれ、東大法学部卒。学生時代にキューバでサトウキビ刈り国際ボランティア、東大「ジプシー」調査探検隊長として東欧の流浪の民「ロマ民族」を調査。74年、朝日新聞に入社しサンパウロ支局長、バルセロナ支局長、ロサンゼルス支局長を歴任したほか、「AERA」創刊編集部員として東欧革命を現地取材するなど、主に国際問題を報道した。2014年9月に退職。NGO「コスタリカ平和の会」共同代表。これまで世界82カ国の現地取材をした。
公式HP https://www.itochihiro.com/