【Rising Star】ダニッシュ・アリ:Caffeine Nirvana
こんにちは。インドにあるカフェイン・ニルバーナのダニッシュです。チクマガルルという街から来ました。
こちらが私たちの農園です。たくさんのコーヒーやシェードツリーを育てています。チクマガルルです。
私たちの背景についてご紹介します。生豆をイエメンの国外に持ち出すことが禁じられていた時代、ババ・ブーダンが木の棒の中に7粒のコーヒー豆を隠して、チクマガルルにやって来ました。
16世紀、その7粒の豆からこの地のコーヒー生産は始まりました。私の一族はとても長い間コーヒーに携わってきました。私たちは最新技術と伝統を組み合わせながら、この営みを引き継いでいます。
チクマガルルにはたくさんの農園があり、たくさんの生産者がいます。
私たちの農園です。一層目の日陰を作る木々です。野生のいちじくです。
私たちのビジョンは、すべてにおいてサステナブルであることです。私たちは今、とても不安定で不確実な時代に生きています。気候変動により、今後もコーヒー生産を続けていける確証が持てない状況です。木を植えたりするだけではなく、収益を増やすためにコーヒーの価値や品質を向上させていくことも重要です。これもサステナビリティの一つだと考えています。
すべての要素にサステナビリティが組み込まれています。地域のすべての生産者を巻き込んでいくために 私たちが学んだことは彼らに共有しています。カップクオリティを向上させる栽培方法、精製方法などについてです。それをチクマガルル地域全体に広めていきたいです。
それからスピリチュアリティに根ざした活動をすること。 すべての行動はすべての生命体と繋がっているはずです。私たちの生き方そのものなのです。
自然と触れ合い、自然の恩恵を受けながら生きてきて学んだ唯一のこと。それは私たちは自然には逆らえないということです。自然の流れに身を任せ、調和を保ちながら流れに沿って生きていくことが唯一の方法です。道教の教えのように自然の中で生きていくことが完璧なのです。
ビジョンを達成するための方法を紹介します。あらゆる最新の科学技術を駆使することです。土壌の健康、微量栄養素、植物の管理、さまざまな精製方法など、コーヒーに関係することすべてです。
さらに、生産効率を上げるだけでなく品質に注力すること、そして生産者のコミュニティーでその知識を共有することです。
現在のサステナブルな世界で必要なことは、自然と共存するだけでなく、経済的にも生き残れるようにすることです。品質だけでなく、従業員や私たちと共に生活をしている人々の生活水準も向上させられます。これまで数十年間、重視されてきた生産性だけに焦点を当てるのではなく、カップクオリティーを向上させることができます。
生き方や事業の運営方法など、全てをスピリチュアルな方法で実行することです。より高い意識の下で生きることを可能にしてくれます。小さなことの積み重ねが、地域の活性化やすべての生き物との共生につながるのです。
森の木々です。
すべての人間は幸せを追求しています。 サステナビリティとスピリチュアリティを日々の生活に取り入れることで、周囲の人々だけでなく、植物や自然環境、気候など、私たちとつながっている自然界の幸福度を高められるのです。全てが幸せで包み込まれます。それによって、より質の高い生活が得られるのです。
すべてが不確実だということをお話します。気候変動により、15〜20年後にコーヒーが育てられる保証はありません。科学的な手法を取り入れて気候変動の度合いを軽減し、カップクオリティーを向上させることだけが解決策だと考えています。
これまでインドのコーヒーはコマーシャルグレードで、大量生産のみが目的でした。しかし、今は品質の向上に焦点が移っています。品質が最も重要視されているのです。
このコミュニティへのメッセージをお伝えします。このステージに立てたことを光栄に思いますし、このような機会を与えてくれたことに感謝しています。各地のロースターや生産者が透明性やトレーサビリティに重きを置いているとわかり、とても嬉しいです。ここ数日間味わったコーヒーの品質も素晴らしいものでした。
コーヒーに関わるすべての人にも感謝の意を伝えたいです。今ここで素晴らしいライフスタイルが生まれています。TYPICAはこれまで見てきた中で最も情熱的、人道的で、オープンマインドな組織です。とても高い志を持っていると思います。このような組織こそ、人間の意識が向かう次の次元だと思います。
私たちは単なるコミュニティではありません。私たちは家族です。TYPICAは業界に革命を起こし、素晴らしい世界を実現してくれると信じています。TYPICAの成功とその素晴らしい未来を願っています。ありがとうございました。
【Q&A】
Q:素敵なプレゼンテーションをありがとうございました。スピリチュアリティという言葉にすごくこだわりがあると感じました。こだわるようになったのはコーヒービジネスに関わってからですか? もしくは元々そういうポリシーをお持ちなんですか?
A:最初からこうだったわけではないと思います。コーヒーに携わるようになってから様々な課題に直面し、高品質のコーヒーを追い求める中で、多くのことを学びました。
最も重要なのは、自然の中ではスピリチュアルでいなければならないことです。それしか方法はありません。流れに身を任せて、完全に調和していなければ、今後生き残っていくことは難しいと思います。前進するために必要なのはスピリチュアリティです。