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2023.05.02

Leadership】アレハンドロ・ヴァリアンテ : CaféNor

おはようございます。私の名前はアレハンドロ・バリエンテです。エルサルバドルのサンタ・アナ県の北部でコーヒーを生産している一家の4代目です。

2005年から2017年まで数社に勤めて、グアテマラやホンジュラス、ニカラグアの生産者と知り合いました。それがきっかけで、地域の生産者の状況をより広い視野で見ることができ、市場の動向を把握することができました。2018年は私たちのプロジェクト元年となりました。コンセプトが明確となり、資金面でも実現の目処がたったのです。

創業のビジョンは、変革のプロセスが革新的でサステナブルな会社を作ること。生産者とロースターの間に長期的な関係を築けること。同時に、業務におけるトレーサビリティと透明性を確保することでした。

これは4つの哲学的な原則に基づいています。一つは、違いを調和させる能力を持つこと。二つ目は、多様な意見を尊重すること。三つ目は、先人の知恵や助言に耳を傾ける謙虚さを持つこと。そして四つ目は、自分たちの行動が他の生態系に悪影響を及ぼさないこと。

目標に向けたアクションについてですが、山の中にマイクロ精製所を建てました。コーヒー農園にできるだけ隣接させるためです。具体的にはアロテペック・メタパン山脈です。これにより、コーヒーの輸送にかかるCO2排出量を削減できます。

100%自家消費型のソーラーパネルを設置し、コーヒーの乾燥台を日陰に確保しました。松林に囲まれているので、その二酸化炭素固定能力を調査し、自分たちの事業をカーボンインセットのアクションに転換しました。

トレーサビリティは私たちにとって非常に重要です。私たちは米国のM-Cultivo社がデザインしたプラットフォームを活用してトレーサビリティを機械化しました。収穫初年度の2019年は54人の生産者と協力し、69kg入りで849袋を輸出。2020年〜21年の収穫では76人の生産者と1155袋を輸出。そして2021年〜22年の収穫では生産者は93人に、輸出は1645袋となりました。

生産者との距離感の近さ、そして、永続的で誠実なコミュニケーションにより、管理技術や施肥、病気対策、品種の特定などを共有することができ、農園の刷新を促進することができています。

付け加えますと、除草剤の不使用と病害虫防除のための農薬を使用しないことに生産者全員と合意しています。さらに、精製で発生する廃棄物の処理技術の変更にも同意をいただいています。これらは新たな挑戦をもたらします。だからこそ私たちはサステナブルなプロジェクトを開発しているのです。

プロジェクトは廃棄物を原料に変えることを柱にしていて、バイオガスやバイオ肥料の製造を目指しています。害虫対策に資する生物を生産する実験室も作る予定です。

私たちの友人であるTYPICAとは約束をしています。品質、透明性、環境におけるサステナビリティを最高基準まで高め、次の収穫量を30〜40%増やすということです。

最後になりますが、私たちは世代交代に熱心に取り組んでいます。今回の旅に、5代目となる娘を連れてきたことをお伝えしておきます。

ありがとうございました。

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【Q&A】

Q:プレゼンテーションどうもありがとうございました。お話の中であった、マイクロベネフィットに関してお聞きしたいんですけれど、太陽光パネルであったりスペースを作ったというお話があったと思うんですけれど、マイクロベネフィットというものがどういうものなのか。パネルであったり、スペースを総称したものなのかちょっとイメージがつきにくかったので補足していただけると嬉しいです。

A:マイクロ精製所というのは、チェリーと乾燥パーチメントの両方を精製し、輸出するために必要な機械を備えた施設のことです。プレゼンでは、ロースターの皆さんに送られるコーヒーをパッケージングする場所のことを指しました。ソーラーパネルは必要な電気を賄うために作られました。これは自家消費用の太陽光発電システムで、精製における二酸化炭素排出量を低減するのが目的です。

Q:アレハンドロさんはじめまして。私はLeaves Coffee Rostersのセールスをしております針生と申します。私たちLeaves Coffee では現在La MinaとSan Nicolásの二種類のコーヒーを扱っています。

お客様に先週からご提供しているんですが、とっても甘いコーヒーですごく反応がいいです。私は個人的にですがチャラテナンゴを2年前に訪問したこともあるので個人的にも思い入れのあるコーヒーでした。質問ではなく、私たちロースターを代表して美味しいコーヒーを届けて頂いてありがとうございますと伝えたかったです。

A:ありがとうございます。大変光栄です。このコメントを最初にいただいていたら、ステージに上がる時の緊張感は吹き飛んでたと思います。これからも生産する生豆一粒一粒に愛情をたっぷり注ぎたいと思います。

Q:現在、国内で生産している有機肥料について、もう少し詳しく教えていただけますか?

A:有機は製造していません。現在やっているのは、農薬の投入量を減らし、より環境に優しいコーヒーを作ることですね。それでも100%有機栽培ではないし、認証取得の段階に至っていません。現在生産している品種はパカ、ブルボン、パカマラ。あとゲイシャとSL28が少しです。今度の収穫でティピカも生産する予定です。
Q:私はパートナーと一緒にホンジュラスでコーヒーを栽培しています。アレハンドロさんの隣りの国で、ご近所同士ですね。プレゼンをお聞きして、エネルギーのサステナビリティという面で進んでいると思いました。例えばソーラーパネルです。ホンジュラスにある私たちの農園でも取り入れたいと強く思っています。今、電気代がかなり上がっているので節約したいというのもありますが、同時にもっとクリーンなエネルギーを探し求めています。

帰国してからでいいんですけど、この件についてもっと詳しく話せませんか。どうやって実践しているか学びたいです。もし差し支えなければ訪問したいです。

A:いつでもお話できますよ。休憩中にでも面会の日程を決めましょう。もちろん、私たちの農園で歓迎します。私たちは本当に小さい会社なんですが、お二人だけでなく、皆さん誰でも大歓迎です。好きなときにどうぞいらしてください。私たちのクレイジーな取り組みにワクワクしてくれる方であればどなたでも。