【Community】ヒダルド/セバスチャン:CAFESMO
みなさん、こんにちは。CAFESMOという組織を深く理解してもらえるように私たち2人でプレゼンをします。ヒダルドは私より20歳も年下ですが、CAFESMOの創業者です。
私はセバスチャンです。海外の顧客を担当しています。先ほどお伝えしたように、オランダ出身です。20年前、身寄りのない子どもや困難を抱えた女性たちのためにホンジュラスに移住しました。
4年前、ホンジュラスのコーヒー生産者の多くが栽培を諦め家族を残してアメリカに不法入国している現実を知りました。この問題は常に存在していました。ホンジュラスだけではなく、周辺の国も同じです。
原因の一つは生産コストにあります。生産者が得られる収入より、生産コストの方が高いのです。つまり、一生懸命働けば働くほど赤字になるので、国を離れざるを得ないのです。多くの生産者は子どもを残して去ります。子どもたちは麻薬犯罪や売春の被害者になってしまいます。
私はこうした子どもたちの保護施設で長年働いていました。同時に、この問題のサステナブルな解決策を探し求めていました。そこで出会ったのがCAFESMOだったのです。
CAFESMOは生産者の収入を向上させ、彼らの家族の生活を守る会社です。強い繋がりを持って平等な機会を創り出そうと努めている会社でもあります。私たちは皆、コーヒーを愛する一つの大家族です。家族とは互いに手を差し伸べ合う存在です。
生産者のすばらしい仕事なしに、ロースターは安定した品質の豆を手に入れられません。オープンな関係性を築くことによる、互いのニーズや障壁への気づきがコミュニティに所属する皆の満足に繋がるのです。だからこそ、CAFESMOでは敬意と平等を大切にしています。
この考えを礎に、280名の生産者と手を取り合って仕事をしています。私たちのビジョンをお話しします。団結力のある、揺るぎない家族を築くためにさまざまな取り組みを進めています。私たちが「ソフトファクター」と呼んでいるものです。
つい見過ごされがちですがCAFESMOという組織とコミュニティに結束をもたらしてくれています。年2回開催している全社総会がその一例です。総会では誰でも意見を表明できます。そして、会社と働き手の未来を占う大切な問題に一票を投じます。
農園の規模を問わず、生産者には投票権があります。また、私たちは2つの団体の活動をサポートしています。ワークショップやイベントを企画しています。女性グループと若者グループです。夫に先立たれた女性や夫が国外に出ていった女性は若者たちと同じように、農作業のノウハウを学びます。
さらに、地域コミュニティの生活水準を上げることにも力を入れています。例えば、学校や医療体制の支援、水道や道路の改善です。教育と健康、きれいな水は、子どもたちとその家族の暮らしを豊かにします。より良い未来を切り拓いてくれます。いずれ遠く離れた外国に移住する必要もなくなるでしょう。
生活の質の向上に直結する技術的支援も提供しています。コーヒーの品質に関わる部分ですね。詳しくは創業者のヒダルドが説明します。
みなさん、こんにちは。ヒダルド・ヘルナンデスです。この場でお話できることを光栄に思います。
生産者とコミュニティを支援するためにはコーヒーから得られる収入を増やし品質を向上させる新しい方法を教えることが重要だと確信しています。その全てが環境と調和していなければなりません。
また、再生可能な農業やアグロフォレストリーも推進しています。地球環境や生態系にも配慮しています。こうした哲学は、私たちのビジョンの軸になっています。多くのプロジェクトで、地元の自治体やNGO、学校と連携しています。より多くの生産者に関わってもらっています。
私たちは分かっています。世界全体を変えることはできなくとも、自分たちのコミュニティは変えられるということを。生産者とその子どもたちの教育・訓練を強化しコーヒーの世界でより多くの機会が生まれるよう、年間を通してワークショップを開催しています。品質管理、適正な加工方法、マイクロロットの精製に重点を置いた内容です。こうして生産者はスペシャルティコーヒーに必要な技術を習得し、最新の市場動向についても知ることができます。知識は生産者のよりよい決断を後押しします。
生産者の努力が結実するのは、年末です。倉庫に到着し、ラボを経た生豆のサンプルが、唯一無二の素晴らしいプロファイルだった時です。生産者とロースターを直接つなぐ努力の源泉です。これこそが私たちの大きな目標の一つです。プロファイルが多種多様なので、大きな挑戦でもあります。
若くてダイナミックなチームがコミュニティを引っ張っています。メンバーの大半はコミュニティ内の若い女性たちです。若者がプロとして成長できるように適正で公平な仕事の機会を創り出しています。
私たちはこれまで、世界中の輸入業者やロースターとよいパートナーシップを築いてきました。倫理的で透明性のある関係を保ちつつ、お互いの成長を視野に入れながら直接的で長期的な関係を築いています。
生産者がロースターと長期的な信頼関係を育むたびに大きなやりがいを感じています。これによって収入が安定し、コーヒー生産が持続可能になるからです。
CAFESMOは成長し続ける”家族”です。スタートした2017年には90人の生産者で、17コンテナ(約300トン)のコーヒーを輸出していました。今は生産者が300人以上になり、年間75コンテナ(1350トン)を輸出するまでになりました。そのうち10コンテナ(180トン)はマイクロロットです。
私たちのコーヒーと全ての働き手、そして友愛の精神がCAFESMOの誇りです。私たちは家族です。お客さんが飲む一杯のコーヒーに私たちの仕事と努力が表現されるよう持続的な関係を築くことを約束します。
どうもありがとうございました。
【Q&A】
Q:コーヒー業界が問題を抱えていることは周知の事実ですが、具体的に行動を起こしている人は多くないかと思います。なぜ、あなたたちは高い階段を登れているのですか?
A:どうすればサステナブルでより良いコーヒー業界になるのか、という質問でしょうか。一杯のコーヒーにもっと多くのお金を払ってください。生産者はそれに値する仕事をしているからです。地球環境にも良い影響をもたらします。
皆さんがコーヒーに支払うお金によって農園が存続し、生産者は環境に配慮しながらコーヒーを育てられるようになるからです。それは地球を守ることにつながるだけでなく、皆さんがより美味しいコーヒーを楽しめるようになるのです。
また、直接的な関係を持つことでロースターと消費者は意識的な購買行動ができます。ロースターが直接取引することでコーヒーはどこからやってきているのか知ることができます。